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未投下 前へ 目次へ戻る 次へ Episode 18 『選択』 ---基地内調理室--- 俺「♪~」シャカシャカ エイラ「・・・・・」 ここは501の調理室。俺とエイラの2人は現在ケーキ作りに勤しんでいる。 基地に帰還後、俺は脱走罪として1週間の自室禁固兼療養を。エイラもストライカーの無断使用により3日間の自室禁固及び飛行停止命令を経て今に至る。 俺の怪我は、魔力のおかげで治りが早く、今となっては傷痕一つ残っていなかった。 しかし、なぜ2人がこんな状況にあるかというと、事は3日前にさかのぼる。 ~3日前~ ---基地内食堂--- エーリカ「そういえばさ、もうサトゥルナーリアの時期だよね。」 ミーナ「あら、そうね。このところゴタゴタが続いていたから、すっかり忘れてたわ。」 芳佳「サトゥルナーリア・・・ってなんですか?」 ゲルト「そうか、扶桑には無い文化だったな。我々カールスラント人は、12月の17日から24日まで農耕神であるサトゥルヌス神に祈りをささげるんだ。太陽が、冬至の後にもう一度大地を明るく照らしますように、とな。」 エーリカ「トゥルーデは難しい事言ってるけど、要はそのサトゥルナーリアの間は国中のみんながお休みして、パーティーしたり贈り物を交換したりとか、色々どんちゃんするんだ。」 芳佳「へぇー!そうなんですか!」 エイラ「24日・・・クリスマスもちょうどそのころダナ。」 芳佳「クリスマス?」 エイラ「そのサトゥルなんとかってやつと似てて、スオムスでも24日になるとみんなでパーティーを開いたり、贈り物をしたりするんダ。ただ違うのは、その日の夜にサンタさんって言う赤い服の妖精が家に来て、ワタシたちが寝ている間に、自分の欲しいプレゼント枕の側において行ってくれるんダ。」 俺「それ、確かオラーシャでもやった気がするっス。でも、あれって年明けてからじゃなかっスか?」 サーニャ「オラーシャは1月7日にやりますけど、エイラの国では12月にやるんですよ。」 俺「へぇ・・・」 芳佳「へぇー!なんだか素敵な日ですね、クリスマスって!」 シャーリー「なぁ、その24日ってさ、ルッキーニの誕生日もかぶってるんだけど・・・」 リーネ「そっか。ルッキーニちゃんも24日生まれだったよね。」 ルッキーニ「うん!」 ミーナ「ちょうどいいわ。それじゃあ、24日にルッキーニさんのお祝いも兼ねてパーティーを開きましょう!」 ルッキーニ「ほんと!?やったー!!」 シャーリー「よかったな、ルッキーニ!」 ミーナ「ここのところ息が詰まることばかりだったもの。たまには、こうしたイベントも必要よね。」ニコ 坂本「うむ。そうだな。」 ~現在~ ---基地内調理室--- そう言う訳で俺は毎度の事ケーキ作りを任されていた。エイラは自ら進んで俺のケーキ作りの手伝いを申し出た。ある一言を言うために。 エイラ「・・・・・」チラッ 俺「♪~♪♪」シャカシャカ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 俺「俺は、エイラさんのいない世界なんか絶対に嫌です。」 俺「大丈夫っス。エイラさんには指一本触れさせません。俺が絶対に守ります。」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― エイラ(な・・・ナンダ・・・この変な、モヤモヤした気持ちは・・・) エイラ(前とは違う・・・ってあれ?ワタシなんでドキドキしてるんダ!?///)ドキドキ 俺「♪~・・・?エイラさん、どうかしたっスか?」 エイラ「ふぇ!?」 俺「いや、なんかずっとボーっとしてたみたいっスけど・・・俺の顔になんかついてますか?」 エイラ「な、何でもない!なんでも・・・ない・・・」 俺「そうっスか?ならいいっスけど・・・」 エイラ(何やってるんだワタシは・・・俺にちゃんと言うために来たんダロ・・・よし、言おう・・・) エイラ「あのさ、俺・・・」 俺「はい?」 エイラ「その・・・この前は、ありがとナ・・・助けてくれて・・・」 俺「ああ、いえ。そんなの、家族なんだから当たり前じゃないっスか。」 エイラ「うん・・・それと・・・ゴメン・・・」 俺「?」 エイラ「オマエに・・・ひどいこと言っちゃってさ・・・オマエがこなけりゃよかったって・・・だからオマエ、出て行ったりしたんダロ・・・?」 俺「いえ、違いますけど。」 エイラ「え?」 俺「あれはストライカーが急に故障しちゃって、そのまま海に落ちて遭難したんスよ。そんで、たまたま海に打ち揚げられてた所をある人に助けてもらったんス。」 俺「だから、全然エイラさんのせいなんかじゃないっス。むしろ謝るのは俺の方っス。こんな、エイラさんたちが苦しまなきゃいけないような状況を作った俺のほうがよっぽど・・・」 エイラ「俺・・・」 俺「だから、こうしましょう。」スッ そう言って、右手を差し伸べる俺。 エイラ「・・・?」 俺「仲直りの握手。エイラさんが気にしてることについては、これでチャラっス。ね。」ニッ エイラ「・・・うん。」スッ パシッ 固く結ばれた手。二人は仲直りの握手を交わした。 俺「・・・じゃあ、この話はおしまいっス。ルッキーニさんとみんなのためにも、ケーキ作っちゃいましょっか!」 エイラ「・・・ああ。とびっきりの、ダナ!」 と、二人が意気込んだ時だった。 サーニャ「あ・・・あの・・・///」モジモジ 俺&エイラ「?」クルッ 突然聞こえてきた声。振り向けば、目線の先にはエプロン姿のサーニャがいた。しかし、どうも様子がおかしい。 サーニャ「わ、私も、お手伝い・・・します・・・///」モジモジ 俺「サーニャさん、どうかしたんスかね。」ヒソヒソ エイラ「さ、さぁ・・・ん?」 よく見ると、心なしかサーニャの肌の露出がいつもより多い。というより寧ろエプロンのみを着用しているようにも見える。 ・・・ってかエプロンしか着てない。 エイラ「わ!わわっ!!サーニャ!!///」 俺「? どうしたんスか、エイラさん?あれ、サーニャさんなんかいつもより・・・」 エイラ「わっ!バカっ!見るなァァァ!!///」ドゴォッ! 俺「おぅふ!?」ドサッ 腹パンならぬ、みぞ蹴りをエイラからくらう俺。 エイラ「ほら、サーニャ!服着るぞ服!!///」グイッ サーニャ「ま、待ってエイラ・・・あ・・・///」 そのままサーニャの手を引いてエイラは調理室から出て行った。 俺「ゲホッ!ゴホッ!い・・・いきが・・・ゲフッ!」 エーリカ「ありゃ・・・しっぱいしっぱい。エイラも引っかかると思ったんだけどな~」 気づけば、倒れた俺の横には小悪魔的な微笑みを浮かべたエーリカが立っていた。 俺「ちゅ・・・ちゅうい・・・ゲホッ!いつのま・・・ゴホゴホ!に・・・」 エーリカ「大丈夫、俺?あぁ、みぞおちに入ったんだ。無理に息吸おうとすると苦しいからゆっくりね。はい、すってー、はいてー。」 しばらくして俺は落ち着きを取り戻す。 俺「はぁ・・・はぁ・・・死ぬかと思った・・・」 エーリカ「それより俺、さっきサーニャのこと、ちゃんと見た?」 俺「いえ・・・エイラさんに蹴りくらって、よくは・・・」 エーリカ「そっか。さっきね、サーニャ、裸エプロンしてたんだよ?」 俺「は、裸!?///」カアァァ~ エーリカ「あはは、俺、顔真っ赤だよ。カワイイ~。・・・でもさ、なんでサーニャがそんなことしたか俺、わかる?」 俺「いえ・・・皆目見当もつかないっス・・・」 エーリカ「ふーん・・・俺って、相変わらずニブチンなんだね。」 俺「・・・?」 エーリカ「ま、きっとすぐにその意味は分かるよ。」 俺「はぁ・・・(きっとこの人の差し金なんだろうな・・・)」 エーリカ「さてと、エイラもいなくなっちゃったし、私が手伝ったげよっか?ケーキ?」 俺「いえ、ミーナ隊長からハルトマン中尉が来たら即刻追い返すように言われてますんで。」 エーリカ「ぶーぶー!俺のいじわる~!」 俺「あはは・・・クレームは隊長にお願いするっス・・・」 エーリカ「ちぇー・・・せっかくつまみ食いできると思ったのに・・・ミーナは用意周到だよな~・・・」ブツブツ 渋々調理室を後にするエーリカ。 俺「さてと、仕上げちゃうか。」 再びケーキの仕上げに取り掛かる俺。が、 俺(サーニャさんの・・・裸・・・///)ボーッ… 俺(・・・って何考えてんだ俺!!くそっ・・・俺、最低だ・・・)ブンブン 俺「顔洗ってこよう・・・」 そう言って、調理室を出ていく俺。 この後、ケーキが何者かによってつまみ食いされるのだが、その真相はエーリカしか知らない。 数時間後・・・ ♪Time -Persona music band arrange- ---基地内食堂--- 501隊員による、ささやかなクリスマスイヴ兼ルッキーニの誕生日パーティーが執り行われた。 シャーリー「ルッキーニ!」 全員「誕生日おめでとう!!」 パンッ!パンッ! ルッキーニ「うわ~!ありがとう!みんな!」 ミーナ「それじゃあ、恒例のプレゼントタイムね。」 それぞれがルッキーニにプレゼントを手渡す。 芳佳「じゃあ、これは私から。こんなものしか用意できなかったけど・・・」 ルッキーニ「なになに!?開けてもいい?」 芳佳「う、うん。」 バリバリ ルッキーニ「わー!むしー!!」キラキラ 包みを開けたルッキーニの目に飛び込んできたのは『世界の昆虫図鑑』と銘打たれた本であった。 芳佳「昔、お父さんが持ってて、こっちに来る前にルッキーニちゃんにあげようと思って持ってきてたんだ。ただ、忘れてて遅くなっちゃったけど・・・プレゼント、これでよかったかな?」 ルッキーニ「すっごくうれしいよ!!ありがとう、芳佳!!」 芳佳「うん!喜んでくれてよかった・・・」ホッ 坂本「よし、次は私からのプレゼントだ。」 ルッキーニ「え!?少佐もくれるの!?」 坂本「ああ。普段から頑張ってくれているルッキーニに、感謝とその努力を称えこれを進呈する!」 そう言って坂本が手渡したのは、坂本がいつか使っていた虫取り網と虫かごであった。 坂本「それは我が家に伝わる由緒正しき虫取り網、風神丸だ。虫かご共々、大切に使うんだぞ。」 ルッキーニ「ほ、ホントにいいの?」 坂本「はっはっは!ああ、遠慮なくもらってくれ。それを託せるのはお前しかいない。」 ルッキーニ「うん!ありがとう!少佐!!大切にするね!」 その後も各々がプレゼントを渡してゆく。 ゲルトはルッキーニのおさげを結ぶための新しいリボンを。エーリカからは、お菓子の詰め合わせ。ミーナからは新しい私服。 リーネとペリーヌからは共同で作ったという手編みのセーター。サーニャからはマフラーを。エイラからはどこかの国の占いグッズを。 そして・・・ シャーリー「私からは、これだ。」スッ ルッキーニ「え・・・?でも、これ・・・」 シャーリーからのプレゼント。それは、いつかルッキーニが羨ましがっていた、シャーリー愛用のゴーグルであった。 ルッキーニ「なんで?だってこれ、シャーリーの大切な物でしょ・・・?」 シャーリー「ああ。とっても、とっても大切な物だ。でもルッキーニ、前にあげたやつ、失くしちゃっただろ?」 ルッキーニ「うん・・・」 以前も同じように、シャーリーはルッキーニに自分と同じゴーグルを探してプレゼントしていた。しかし、ルッキーニはこちらの戦線へ赴く際、そのゴーグルをどこかで失くしてしまっていた。 ルッキーニ「でもこれ・・・シャーリーの思い出がいっぱい・・・いっぱい詰まってるものでしょ・・・?なのに・・・」 シャーリー「いいんだ。だってルッキーニも、もう15歳だ。それに、今まではずっと一緒だったけど、きっと、いつかは私ともお別れしなくちゃいけない時が来る。」 ルッキーニ「なんで・・・?嫌・・・シャーリーとお別れしたくないよ・・・」 シャーリー「アタシだって、お別れしたくないさ。でもなルッキーニ、ずっとはアタシも無理だ。それに、ルッキーニにもそのうち、一人で立ち向かわなくちゃいけない大きな壁にぶつかるときが来るかもしれない。」 ルッキーニ「壁・・・?」 シャーリー「ああ、それがどんな壁かはわからない。でもきっと、それはとっても辛いことだ。もしかしたら、挫けそうになるかもしれない。」 ルッキーニ「・・・・・」 シャーリー「その時に、アタシは傍にいてあげることはできない。だから、ルッキーニにその時が来ても、一人でちゃんと前を見れるように、そのゴーグルをあげようと思ったんだ。」 シャーリー「そのゴーグルに詰まった思い出は、ボンネビル・フラッツの時だけじゃない。アタシとルッキーニとの思い出や、501のみんなとの思い出も沢山詰まってる。」 シャーリー「だから、もしルッキーニが立ち上がれなくなりそうになった時は、そのゴーグルを見て、私たちと過ごしてきたこれまでの事を思い出してほしい。きっとそれは、壁を乗り越えるための勇気になるはずだから・・・」 ルッキーニ「うん・・・」 シャーリー「だから、受け取ってくれルッキーニ。私も、ほかの皆も、いつでもお前を見守ってるからな。」ニコッ ルッキーニ「・・・うん・・・うん・・・!ありがとう・・・シャーリー・・・グスッ・・・ずっと、ずっと大事にするね・・・!」ポロポロ シャーリー「ああ。でも、もう失くしたりするんじゃないぞ?」 ルッキーニ「うん・・・!ぜったいに、なくさない・・・!!ヒック・・・」ポロポロ シャーリー「よしよし、おいで、ルッキーニ。」ギュッ ルッキーニ「シャーリー・・・うえええぇぇぇぇん!!」ポロポロ ルッキーニを大切に思うからこそ、シャーリーは自分の宝物を渡した。自分が、これほどまで大切に思われていることを知ったルッキーニは、心の底から嬉しく思い、そのまま暫くあふれ出る涙を止めることができなかった。 そんなルッキーニを、仲間たちは優しい目で見守った。 それからしばらくして・・・ 俺「さて、じゃあ俺からのプレゼントっス!途中、誰か知らないけどつまみ食いされて時間かかっちゃいましたけどねー」チラッ エーリカ「♪♪~」 ミーナ「ハルトマン中尉。後で執務室に出頭しなさい。」 エーリカ「げっ!バレてるし・・・」 俺「では気を取り直して。」カパッ ステンレス製のふたを取ると、中からショートケーキが現れた。 その上には、チョコレート文字で『 MERRY CHRISTMAS HAPPY BIRTHDAY LUCCHINI ! 』と大きく書かれていた。さらに ペリーヌ「あら・・・?これは・・・」 リーネ「わぁ!ルッキーニちゃんですよね、これ!」 さらにケーキの縁には器用に、そりに乗った小さなルッキーニが描かれていた。そのそりを引いている動物はどうやらトナカイではなく、ルッキーニの使い魔である黒ヒョウのようだ。 ところどころに、クリスマスの象徴である、もみの木も描かれている。 俺「はいっス。書くのが結構難しかったんスけど・・・あ、もみの木はエイラさんが書いてくれたんスよ。」 サーニャ「エイラ、とっても上手・・・」 エイラ「そ、そうカ?サーニャに喜んでもらえて何よりなんダナ!」 シャーリー「あっはっは!おいおい、今日はルッキーニの誕生日なんだぞ?」 エイラ「そうだったナ。どうダ、ルッキーニ?」 ルッキーニ「うん!すっごく上手だよ!ありがとう!俺!エイラ!」 俺「どういたしましてっス!喜んでもらえてよかったっス!」 エイラ「どういたしましてダナ。」 ミーナ「それじゃあ、みんなでいただきましょう。」 それから、全員でケーキを食べた後、パーティーは更なる盛り上がりを見せた。 坂本「わっしょおおおおおい!!///」ドンガラガッシャーン 芳佳「さ、坂本さん、暴れちゃ駄目です!!」 シャーリー「なんだ~バルクホルン・・・ヒック!・・・アタシはまだいけるぞ~?///」 ゲルト「ふっ・・・何をぬかすか・・・リベリアン・・・私はまだ・・・うぷっ・・・いけるぞ・・・///」 シャーリー「よーし・・・じゃあ、8ラウンド目だぁ!ヒック!///」 ゲルト「の、望むところだ・・・!///」 エイラ「サーニャぁぁぁ~♪///」 サーニャ「エイラ・・・少し飲みすぎよ・・・」 エイラ「えへへ~サーニャ~♪///」ギュゥ サーニャ「もう・・・バカ・・・///」 俺「・・・・・」チウチウ 酒を飲み始めてから、皆の様相が一変してしまった。俺は一人、その様子を見ながらカルピスを啜る。 ミーナ「あらぁ?俺さんは飲まないのかしら~?」 俺「すみません・・・俺、酒はちょっと・・・」 ミーナ「あらそう?たまにはいいものよ、お酒も。ウフフ♪」 俺「は、はぁ・・・(ダメだ、ミーナ隊長もちょっとキャラ変わってる・・・俺がしっかりしなきゃな・・・)」 エーリカ「おーれ!」ダキッ 俺「うわっ!」ドスン! 俺は突然飛びついてきたエーリカによって押し倒される。 俺「っつー・・・何するんスか、中尉・・・」 エーリカ「・・・ひどいよ・・・俺・・・」 俺「・・・はい?」 エーリカ「みんなの事は名前で呼ぶくせに、私の事は中尉中尉って・・・どうしてエーリカって呼んでくれないの・・・?」 俺「いや・・・それはまだ中尉に呼んでいいって言われてないっスから・・・」 エーリカ「じゃあ、呼んでよ・・・」 俺「は、はぁ・・・え、エーリカ・・・さん・・・」 エーリカ「むぅ・・・ほんとは『さん』もいらないのに・・・」 俺「あはは・・・」 エーリカ「ねぇ・・・俺・・・」 俺「・・・?」 エーリカ「俺は・・・好きな人・・・いるの・・・?」 俺「はい!?」 エーリカ「いるの・・・?いないの・・・?」 俺「な、なんでそんな事急に・・・」 エーリカ「・・・いなかったら・・・私が・・・貰っちゃおうかなって・・・」ボソッ 俺「な・・・なな!?///」 エーリカ「だって・・・こんなに長く一緒に居るのに・・・隊でたった一人しかいない男を、好きにならないわけ・・・ないじゃん・・・」 俺「え、エーリカさん・・・?」 エーリカ「今日の11 00。バルコニーで待ってるから・・・」 俺「えっ?」 エーリカ「じゃあね・・・」 チュッ 俺「!!?///」 エーリカは俺の額に一度キスを落とし、そのままゲルトの元へと向かっていった。 俺(・・・エーリカさん、酒の匂い、しなかった・・・) その後もどんちゃん騒ぎが続いた後、パーティーは終息していった。 続き→ペルソナ18.5 -ページ先頭へ
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LV 名前 物 火 氷 雷 風 光 闇 力 魔 耐 速 運 初期スキル 取得スキル 備考 24 キウン 弱 - - - - - 無 16 23 14 15 11 テトラカーンセルブレイカーマハムド 淀んだ空気(26)光耐性(27)吸血(28)吸魔(29) 特出し劇場丸久座 32 ネコショウグン 耐 - - 反 弱 無 無 26 20 19 23 15 ジオンガ電撃ブースタ黒点撃 メディラマ(34)マハタルカジャ(35)真・疾風見切り(36)神々の加護(37) クロススプレッド 43 フウキ 弱 25 32 34 27 18 ガルーラミリオンシュートヘビーカウンタ 真・火炎見切り(45)アドバイス(46)疾風ブースタ(47)衰弱防御(49) 秘密結社改造ラボ 50 ガネーシャ 弱 無 38 29 31 27 32 ガルダインマスタードボムマカラカーン チャージ(52)ハイパーカウンタ(54)食いしばり(55)マハガルダイン(56) 57 ガルーダ 弱 反 反 39 33 28 47 31 ディアラマガルダインアローシャワー アムリタ(60)ハイパーカウンタ(61)疾風反射(62)素早さの心得(63) 天上楽土禍津稲羽市 67 カルティケーヤ 反 47 39 40 44 38 マハジオダインマハタルカオート ハイパーカウンタ(68)刹那五月雨撃(69)ミドルグロウ(70)イノセントタック(75) マガツマンダラ黄泉比良坂 75 サトゥルヌス - 吸 弱 - 無 - - 50 57 36 43 49 アギダインマハラギダイン火炎ハイブースタ 真・氷結見切り(77)ハイグロウ(79)魔術の素養(81) 黄泉比良坂 87 ルシフェル 耐 無 - - 弱 無 無 56 57 56 49 50 メギドラオンマハラギダインゴッドハンド メシアライザー(88)瞬間回復(90)疾風反射(91)武道の心得(92)明けの明星(94) コミュ解禁ペルソナ継承不可スキル:明けの明星
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経験値 Lv 必要経験値 NextEXP Lv 必要経験値 NextEXP Lv 必要経験値 NextEXP Lv1 - 12 Lv36 Lv71 Lv2 12 17 Lv37 Lv72 Lv3 29 24 Lv38 Lv73 Lv4 53 33 Lv39 Lv74 Lv5 86 44 Lv40 Lv75 Lv6 130 57 Lv41 Lv76 Lv7 187 72 Lv42 Lv77 Lv8 259 89 Lv43 Lv78 Lv9 348 108 Lv44 Lv79 Lv10 456 129 Lv45 Lv80 Lv11 585 152 Lv46 Lv81 Lv12 737 177 Lv47 Lv82 Lv13 914 204 Lv48 Lv83 Lv14 1118 233 Lv49 Lv84 Lv15 1351 264 Lv50 Lv85 Lv16 1615 297 Lv51 Lv86 Lv17 1912 332 Lv52 Lv87 Lv18 2244 Lv53 Lv88 Lv19 Lv54 Lv89 Lv20 Lv55 Lv90 Lv21 Lv56 Lv91 Lv22 Lv57 Lv92 Lv23 Lv58 Lv93 Lv24 Lv59 Lv94 Lv25 Lv60 Lv95 Lv26 Lv61 Lv96 Lv27 Lv62 Lv97 Lv28 Lv63 Lv98 Lv29 Lv64 Lv99 Lv30 Lv65 Lv100 Lv31 Lv66 - - - Lv32 Lv67 - - - Lv33 Lv68 - - - Lv34 Lv69 - - - Lv35 Lv70 - - - Lv 必要経験値 NextEXP Lv 必要経験値 NextEXP Lv 必要経験値 NextEXP
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ぺるそなすりーどらましーでぃーつー むーんらいと 公式 1月31日―ニュクスとの決戦を間近に控えた特別課外活動部の面々の 「ある夜」に起きた出来事と、その中で各メンバーの決意・心境を描いた CDドラマ。 フェスの後日談・アイギス編とリンクするエピソードが盛り込まれている。 一枚目のCDドラマ「Daylight」とは打って変わって落ち着いた雰囲気で、 独白劇に近い体裁を取ったエピソードが多い。 ペルソナ3シナリオ担当の田中氏がプロットを書かれている。 公式サイドストーリー。 CDドラマだけの声の出演に、 少女:斉藤千和(メティスではないらしい) がおり、この中で少女の素性・正体についても明かされる。 聞き所 色々な意味で天然な真田に振り回される順平。 将来の進路に、桐条家のハウスメイド就職を検討するゆかり。 などなど。 微妙にペルソナ3オリジナルドラマ A CERTAIN DAY OF SUMMERと リンクしている部分がある(アイギスのピッキング能力など)。
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節制 ◆ 出現条件 4/23以降、学童保育のアルバイト(2回目)(要:寛容さ) キャラクター 南 絵里 出現場所 高台(学童保育アルバイト) 曜日 月・金・土(雨以外) 夏休み時も可能 時間帯 放課後 天候 雨以外 解説 学童保育アルバイトをすると寛容さがUPし、お金も貰えます。 なお意外かもしれませんが夏休み期間でも学童保育アルバイトはできます。 イベント ◆ ランク 内容 10 クローバーのしおり入手、ヴィシュヌの合体解禁 ランクアップ ◆ ランク 2 3 4 5 6 7 8 9 10 必要好感度 選択肢 ◆ 該当するペルソナがある場合♪が1つ増えるかもしれないとの事なので別途枠を作成しました。 ランク 設問 選択肢/好感度/好感度(P有) 0 1 考え事? 具合でも悪い? - - - - 2 大変だね 勇太はいい子だ ゆっくり頑張れ - - - - - - 1 1 好き どちらでもない 苦手 - ♪1 ♪3 - ♪2 ♪3 2 好き? 苦手? - - - - 2 1 そうかも 分からない ♪1 ♪2 ♪2 ♪2 2 勇太を愛してるか? 夫を愛してるか? - - - - 3 1 勇太に愛されないことが? 勇太を愛せないことが? - - - - 2 確かに… つまらない考え方だ 良くない考え方だ ♪3 - - ♪3 - - 3 一人で戻れば? 勇太と戻れば? 諦めろ - - ♪1 - - ♪2 4 分かってる 言ってどうする - - - - 4 1 怒ってる 怒ってない 謝ればいい - - - - - - 2 嫌いなんかじゃない 時間が解決する もっといい子になれ - - - - - - 5 1 なんで? 見ればいいのに - - - - 2 見たらダメだって? 見せてって言えば? - - - - 3 問題ない 勇太が寂しがってた 謝る相手が違う - - - - - - 4 ネオフェザーマンだ お金だ 優しい母親だ ○ - ? ♪3 - ? 6 1 言ったかも 言ってない 誰に? - - - - - - 2 なんでも喜ぶ 勇太がいい子になること 自分で考えろ - - - - - - 3 そうかも 違う お互い様だ ? - ♪2 ? - ♪3 4 仕方ない そんなことは無い - ♪2 - ♪3 7 1 学童の… ○○と言います こう見えて夫です - - - - - - 2 勇太は悪くない 成績は関係ない 自分のせいだ - - - - - - 8 1 大丈夫 そんなにヤワじゃない ○ ? ♪3 ? 2 気にするな 聞こえない 暴力はダメだよ - ? ? - ? - 3 そうだね 親バカだね ○ ? ♪3 ? 4 確かに これからだ ? ? ♪3 ♪3 9 1 それが良い それは寂しい ○ ♪3 ? ♪3 コミュニティマスター
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死神 ◆ 出現条件 悪魔コミュ・ランク4のイベントで遭遇 その後休日に河原で話す キャラクター 黒田ひさ乃 出現場所 河原 曜日 休日 時間帯 昼間 天候 いつでも可 解説 登場人物との会話により絆を深めるコミュニティのテンプレート イベント ◆ ランク 内容 6 黒田ひさ乃と会話後、だいだら.のオヤジと会話で夫からの手紙を入手 7 だいだら.のオヤジと会話でひさ乃の手紙を入手 10 古い万年筆入手、マハカーラの合体解禁 ランクアップ ◆ ランク 2 3 4 5 6 7 8 9 10 必要好感度 どの選択肢を選んでもランクアップする 選択肢 ◆ 該当するペルソナがある場合♪が1つ増えるかもしれないとの事なので別途枠を作成しました。 ランク 設問 選択肢/好感度/好感度(P有) 0 1 引っ越してきた 一時的にいるだけ - - 2 そう思う みんなそう言うけど… - - 3 死神? どういう意味? - - 1 1 誰のこと? 似てなさそうだけど… あまり見ないで欲しい ♪3 ♪3 ♪3 ♪3 ♪3 ♪3 2 見える 見えない バカらしい - - - - - - 2 1 いつのこと? 川に思い出が? ♪3 ♪3 ♪3 ♪3 2 うらやましい 今は? ♪3 ♪ ♪3 ? 3 そんなことは無い 思いつめるな ♪3 ♪3 ♪3 ♪3 3 1 月命日? 大変だね 落ち込むな ♪1 ♪1 ♪1 ♪2 ♪2 ♪2 2 そうかも それは違う 良く分からない - - - - - - 3 分からない 分かる気がする - - - - 4 1 意外と面白い ただの暇つぶし ♪3 ♪3 ♪3 ? 2 学校の話をする 事件の話をする 女の子の話をする ♪3 - ♪3 ♪3 ? ♪3 3 なんで? 傷ついた それは困る - - - - - - 5 1 分かる 分からない ♪3 ♪3 ♪3 ♪3 2 どんな内容? 手紙なんて不便だ - ♪2 - ♪2 黒田ひさ乃と会話後、だいだら.のオヤジと会話で夫からの手紙を入手 6 1 ちょっと読んでみる ひさ乃を待つ - - - - 2 どういう意味だ? 好きじゃなかった - - - - 3 残酷な話だ 大変だったね ……。 - - - - - - だいだら.のオヤジと会話でひさ乃の手紙を入手 7 1 ゆっくりでいい 頑張れ ? ♪3 ♪3 ♪3 8 1 分かる気がする 自分勝手だ 理解できない ♪3 ♪3 ? ♪3 ? ? 2 そうだね そんなことは無い ♪3 ♪3 ? ♪3 9 1 断りきれない? 夫はいいのか? ♪3 ? ♪3 ♪3 2 終わったのでは? 大事にする ? - - - 3 いる いない 微妙 - ? ? - - ? コミュニティマスター
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219 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2007/11/30(金) 01 30 26 ID ??? 流れを読まずに報告。 DX2でキャラ作成の時にDロイスの説明受けて、変異種を取っておきながら自己紹介の時に 自分のキャラ(ブラムストーカー×サラマンダー)が千年以上生きた吸血鬼だといいだした。 そういうキャラがやりたいなら変異種でなく古代種を取れといったら、 キャラの設定位好きにさせろとごね出した。 困ったちゃんて自分の設定を押し通そうとごねるよね。しかもそれが通らないと、途端に非協力的になる。 459 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2007/12/01(土) 20 09 20 ID ??? 古代帝国や旧支配者のいた太古から生きてるキャラをやりたがるPLがいる。 それにふさわしい特徴やら種族やらはきちんととってるし、別に有利はないんだが 「○○の時代から生きてます」 「よくその程度の実力でその時代に生きてられたな」 と言う会話がおおよそお約束なわが鳥取。 スレ143.3
https://w.atwiki.jp/yaruoex/pages/301.html
_ -――- 、 , '⌒ \ / { ヽハ .ヽ ヽ /イ { /{ ∧ } ∧ _} ハ ,.-、 {/| Ⅳト\ハ ノj.斗Ⅵ | .{ i ヽ、 小__ >j/< _/| i | '、 '、 _ -‐'^) _ノ ノ } _.. -=ニニ 、 / 八 }. ヽー'"´_.. -‐'´ '´ / ゝ ∨ ノ/ ハ ヽ / ^ー─----、 / / /厶≧=rー=≦/ /ーヘ__;>′ ‐x―---' / / /'´ ヘ☆/ / ( (_...ィ、_ __ 、\ { ゝ ( \ ∨ 人 \ / {弋三三ノ 〈 \) __ __ノ ノ\ \ 爪 \ \ _人 / 〃 ̄`゙ヽ / /r-'ノ ) //|ヽ\ _ノ )_ {ヽ ,/. {{ }} / ト、 ___{__ {/ /'´  ̄ |  ̄/ / i|`ー ─rく ゝ、__xく { | // │ / (. i| | \  ̄ rヘ^\rーヘ . ; イ´ /j {, 八 `ー-イ__ | \ { =ヘ.{\  ̄ ̄ ' ノ |. } 丶、 ____ _ _;/ | ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【名前】 ルイズ Lv30 ♀ へっぽこポケモン 【タイプ】 ほのお 【特性】 がんじょう 【ステータス】 こうげき:C+ ぼうぎょ:C+ とくこう:C+ とくぼう:C+ すばやさ:C+ 【技:だいもんじ、マグネットボム、だいばくはつ、めいそう】 【アビリティ】 『落ち毀れの自尊心』・・・相手より種族値が劣っている場合 相手に与えるダメージが強化(1.5倍)される 『虚無の魔法使い』・・・だいばくはつを相手の防御を半減させて計算する 『爆発達人』・・・じばく、だいばくはつを使った時低確率で体力が1残る 『激・喰いしばり』・・・自分の体力が0になる時、稀に生き残る 『一芸特化』・・・とある技に全ての努力を注いだ称号 「だいばくはつ」意外の技の威力が低下(0.75倍)する 『変異種』・・・元の種族とは違った生態を持つ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 完全な運ゲー使用である
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基本情報 名前 梵 英心(そよぎ えいしん) あだ名 ボン 出席番号 13 生年月日 6月27日 血液型 O型 所属クラブ 野球部 趣味 野球 特技 物忘れ 自己紹介 転校してきたばかりで何もわからないのでいろいろ教えてください。 その他ステータス 身長 161cm 体重 57kg 勉学 赤点王 大切なもの サイン入りボール 使用技能 投擲 ウェポンマスターリー トリック 主な武器 アルミ・ダート 得意技 両手投げ、相槌 座右の銘 大器晩成 ペルソナ アルカナ THE world 初期ペルソナ トトロ 転生ペルソナ - 相性 剣- 物△ 技- 火- 氷- 雷- 風◎ 地- 心- 禁- 聖× 呪- 使用技能(ペルソナ系) ジオハピルマネングラフィーマハジオフォトンブレス丸飲み猫バス召喚 使用技能 投擲術電光打ちトリックプレイアタックパリー鋭い勘隠密行動錠前開けスリ 性格等 性格 面倒くさがり、なぜかストーリーの中心に。 名前の由来 某選手からお借りしました。 家族等 両親 ペルソナ - 戦闘の役割・育成プラン 後ろからひたすら撃つ。回復、補助がいないと即死です。一応前衛も可能だが、出たことがない。強さ、器用を伸ばす。 学園生活育成プラン 牧と友情タッグを組み、まりんで強さ、山吹でアイテムを回収。向井はるな…。 コミュニティ MAX 牧健 3~4 宮河隼人 1~2 山吹翔吉沢まりん妻乃伊大介仲谷ももえ青木蒼太 0.9以下 神楽浩之笹川織彦、濱丘みゆき、小鷹幹、鈴白隆史、向井はるな
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前ページ次ページゼロのペルソナ 金髪の男ドゥドゥーの名乗りが終わる前に完二とクマは攻撃に移った。 完二はデルフリンガーの腹でジャックを叩き、クマは手甲に包まれた拳をドゥドゥーの腹に叩き込んだ。 完二とクマに確かな感触が伝わる。先ほど魔法を機敏に避けたのとは違いまともに喰らった。 もう立ち上がれないくらいのダメージは与えたはず。 だが、どういうわけかジャックもドゥドゥーも平然と立っていた。 「おいおい、いてーじゃねーか」 ジャックが言いながら拳を振りかぶる。平然とした軽口に一瞬呆然としかけたが、敵の攻撃にはっとして完二は回避した。 クマもドゥドゥーから距離をとった。 「なんであいつらなんでもねーよなツラしてんだ!?」 混乱して、完二は当然の疑問を吐き出した。先ほどの攻撃は手加減したものだ。 完二が本気で人一人を剣で叩けば死んでしまうかもしれないし、またデルフリンガーが折れてしまうかもしれないからだ。 とはいえ、完二の怪力を喰らい立っていられるはずがない。普通の人間ならそれこそ骨くらい折れるだろう。 混乱する完二の疑問に答えたのはクマではなくデルフリンガーだ。 「相棒がおれを叩き込んだときにアイツの皮膚が鋼鉄になったみてーだぜ」 ジャックは敵の剣に感心し、ほう、と言った。 「インテリジェンスソードか、珍しいな。その通り、おれたちは体を鋼鉄に錬金できるのさ。こんな風にな」 彼は詠唱を始めた。呪文を完成させまいと完二はデルフリンガーを振りかぶった。 が、ジャックの詠唱はすぐに終わり完二の振り下ろした剣を手の甲で受け止めた。 みればその手は金属になっている。ジャックは気軽に完二に話しかけてくる。 「剣は斬るものだろ?そんな鈍器みたいに使ってどうすんだ?」 「うっせえ!」 完二はいったん下がり再び剣を振りかぶった。 「さあ、こちらも勝負だ」 そう言って紡ぎ始めたドゥドゥーの詠唱はあっという間に完成した。 稲 妻 杖の先から電撃がほとばしる。高位の風呪文“ライトニング”だ。 ライトニング “稲妻”はどこに飛んでいくのかわからないので、通常は“ライトニング・クラウド”で小さな雲を作り出し、遠隔的に発射するものだ。 そうしなかったことからドゥドゥーがかなりの使い手だと知れる。 クマはそのような理屈は無論知らないが、電撃はまずいと回避する。クマの弱点は電撃属性の攻撃なのだ。 喰らえばダウンしてしまう。それは戦闘で致命的なほどの隙を生んでしまうということを意味する。 「ほいっとぉ!」 「へえやるね、なら……」 ドゥーゥーは再び呪文を唱える。 再び電撃が来たらまずいとクマは距離をとった。 クマの悪い予想は外れ、どうやら電撃の呪文ではないようだ。 しかし、それは幸いにも。と言っていいものか目の前の魔法を見ると判断できなかった。 それほどドゥドゥーの魔法はこの世界の魔法をほとんど知らないクマにしても非常識なものだった。 ドゥドゥーのしなる杖は電撃を放つのではなく、逆にどんどん光を集め、そして太くなっていく。そして青白い大木のような太い刃が出来上がった。 “ブレイド”――魔法使いが白兵戦時に使う魔法だ。しかしこれほど大きな“ブレイド”規格外だった。 ドゥドゥーはその巨大な刃を横ぶりに払った。まるで空間を切り裂く剣のようだ。弱点ではないにしても喰らうわけにはいかない。 クマは地面に伏せてなんとかその攻撃を回避した。 「なめたらアカンぜよ!」 軽口を叩きながらクマはいっぱいいっぱいだった。 「まだまだぁ、むっ……!」 再びブレイドを振ろうとしたドゥドゥーに火球が飛んだ。そして地面から6体のゴーレムが現れる。 回避に精一杯になっているクマを見かねたキュルケとギーシュの救援だ。 クマは今がチャンスと駆け出した。注意のそれたドゥドゥーから離れ、戦っている完二の元へ向かったのだ。 「カンジ!敵さんチェンジ!あいつ雷とか使ってくるクマ!」 ジャックと向かい合っていた完二は「ああ?」と言いつつ視線をクマに向けた。 その隙を見逃さずにジャックは完二に一瞬で詰め寄る。しかし拳を完二に打ち込もうとしてわき腹にダメージを受け再び飛び退く。 クマの渾身のパンチを受けたからだ。クマの攻撃に気付かなかったわけではない。 攻撃を受けながらも、完二を倒す一撃が放てると思ったのだったが、予想よりクマのパンチは遥かに重く、鋼鉄化した腹の内側までダメージを与えた。 ジャックがクマの攻撃を気にするほどのものではないと判断したのは負うとドゥドゥーもクマの攻撃に全くダメージを受けなかったからだが、 しかし力をセーブしていたのは完二だけではない。地面を踏みしめたクマの本気の拳は決して軽いものではない。 敵の危険度認識を改めたジャックは拳を構え、唇を下でぬらした。 「やさ男だと思ったらやるじゃねえか」 「野生のパワーを思い知ったクマ?」 突然戦いに割り込まれた完二は文句をつけようとしたが、それを彼の剣が遮る。 「おれを右に構えろ!」 完二も危険に気付いて言われたとおりデルフリンガーを構える。そして鉄の刃は光の刃を受け止めた。 ドゥドゥーのブレイドだ。ギーシュが力を使い果たして作ったゴーレムの軍団を十秒程度で全て破壊したのだった。 「んじゃカンジ、あっちよろしクマ」 気軽に言うクマに怒るより呆れてしまいそうになりながら、それでも完二は剣を構えドゥドゥーへと向かった。 突如、戦いの相手を帰られたジャックはクマに尋ねる。 「なあ、お前」 「なにクマか?」 「おれのほうが弱いとでも思ってるのか?」 ジャックは単純に疑問を感じているようだった。下に見られて腹が立っているという風ではない。 そしてクマもそうは思っておらず、拳を構えながら言った。 「世の中には相性というものがあるからクマよ」 「なるほど」 ジャックは踏み込んだ。 クマとジャックの攻防が始まった。 クマから一方的にバトンタッチをされた完二は防戦一方だった。 ドゥドゥーは長いブレイドを振り回し、攻撃している。そのせいで近づくことはもちろん、距離をとることさえできない。 なんとか回避したり、デルフリンガーで防いで負けないではいる。ただそれだけだ。 「おいおい、相棒よ。さっきから押されっぱなしじゃあねえのか?」 「うっせ!」 そう言いながらも完二は横ぶりのブレイドを防いだ。しかし防いだブレイドは鞭を振るうように上にたたき上げられ今度は上から完二を襲う。 完二は左側に転げるように跳んで攻撃をよけた。 「クソッ少しでも隙ができりゃあ……」 「隙ができればいいんだな?よし、おれを地面に突きさせ」 「ああ?」 怪訝そうな顔を完二は浮かべた。 「きみたち話をしている余裕があるのかい」 そう言ってドゥドゥーはブレイドを振り回してくる。それを完二は力をこめてデルフリンガーを振り回し、はじいた。 大木のようなブレイドを弾く腕力にドゥドゥーは驚いたような表情を見せる。 それはほんの一瞬の、隙とも言えない隙だったが、その一瞬に完二は行動に移った。 「わーったよ!そんかわり何とかしろよ!」 完二はデルフリンガーを地面につきたてた。するとその刀身はドゥドゥーのブレイドの光を奪っていく。 ブレイドに蓄えられたドゥドゥーの魔力を吸収しているのだ。 「な、なんだこれは!?」 慌てたのはドゥドゥーだった。ブレイドから魔法の光が剣に向かっていくなどと非常識な光景を見たのだから当然だろう。 しかし、ドゥドゥーの驚愕はそれでは終わらなかった。 インテリジェンスソードが魔法の力を奪い始めたと思ったら次には、彼が見たこともないような巨人が現れた。 ペルソナ、ロクテンマオウは完二が地面にインテリジェンスソードをつきたてたように自分の得物を突きたてた。 そしてそれを両の拳で粉砕するとロクテンマオウの、完二の力が放たれる。 その力は電撃となりドゥドゥーの体を襲った。ジオ、初級電撃魔法だ。 ドゥドゥーの頭上から発生したほとばしる電流はドゥドゥーの体を、頭のてっぺんから地面までの道筋として流れていく。 その局地的な落雷が終った後、ドゥドゥーは立っていた。ただし、立っていただけだ。 先ほどまでのように平然として、ではない。目の焦点は定まらずフラリフラリとしている。 完二は地面に突き刺した得物を取ることもせず、そして敵の攻撃に警戒することもせずにドゥドゥーに歩き近づいた。 「あばよ」 とどめに完二のパンチを顔面に喰らい、ドゥドゥーの体は吹っ飛び、意識も飛んだ。 クマと戦っているジャックは弟ドゥドゥーが敗北する様子を見て驚いたようだ。 「ドゥドゥー……!」 「ほらほら弟さんの心配をしている場合クマか?ジャックはクマと戦っているクマ」 相対しているクマはそう言った。 クマに向き直ったかと思ったジャックが何か詠唱を唱え始めた。なにかと思ってクマは安全のために距離をとった。 詠唱が完成すると地面から大きな壁が現れた。それはジャックの姿を隠すほど大きかった。またその壁は、ただの壁ではなく土の拳が飛び出してきてクマを襲う。 拳が眼前に迫りつつあった。しかしクマはジャックがその壁を作り出した意図を理解した。 「逃げる気クマね。そうは問屋がおろさんぜよ!滾れ、カムイ!」 クマはどこからか現れた金色に輝くカードをその手甲で砕き、ペルソナ、カムイを召喚した。 カムイは着ぐるみを着たクマのような球形の体をしている。違うのは4本の手足がそれぞれ最も遠い距離になるように配置されているのと、その4本の手足の真ん中に顔があることだ。 カムイはマハブフを発動した。マハブフとは氷結系初級全体魔法である。 マハブフにより生み出された冷気はクマの目前にせまった3つの拳を凍らせ、停止せせ、そして砕いた。 土の拳だけではない。壁の向こうもマハブフの攻撃範囲だ。壁の向こうで逃避に移ろうとしていたジャックも突然の冷気を回避することが出来なかった。 彼の体の表面を鋼鉄にする魔法も、雷同様、氷にも通じはしない。 生やした拳と同様に砕け散った壁の向こうには体の端々を凍らせて地面に倒れたジャックがいた。死んではいないがとても動けそうにはない。 完二と違い、一撃で仕留められたのは、クマの魔力がそれほど莫大だからだ。 ドゥドゥーは完二が、そしてジャックはクマが撃退した。完二とクマは視線を合わせてから大声で叫んだ。 「勝利クマー!!」 「よっしゃあ!!」 その声で今まで隠れていたキュルケ、ギーシュ、モンモランシー、そしていつのまにか起きていたルイズが茂みから飛び出してきた。 「やったわね、クマ、カンジ!」 「やったな、ぼくたちの勝利だ!」 「ほとんど二人の力じゃない……」 「大丈夫、カンジ?怪我とかしてない?」 キュルケとギーシュは勝利を喜び、モンモランシーが彼氏の大口に苦言を呈し、ルイズは完二を心配した。 そうして6人がおのおの勝利の余韻に浸っていると突然強い風が吹いた。思わず、全員目を閉じてしまう。 目を開けると一人の少年と少女がドゥドゥーとジャックの近くに立っていた。 少女は黒と白の派手なドレスを着ていた。その少女は倒れ付した二人をレビテーションで浮かべて様子を調べていた。 「ドゥドゥー兄さんはともかくジャック兄さんまでやられてるなんて……」 ボロボロの二人の傍に立って少女は溜め息をつくように言った。 しばし呆然としていた完二たちだが、一番早くに立ち直ったキュルケが言った。 「だれよあなたたち!」 「元素の兄弟。二人はそういわなかったかな?」 そう言ったのは少年のほうだった。見た目は若いというより幼く12歳くらいに見える。 カンジとクマは武器を構え、キュルケたちも杖を構えた。 しかし少年は両手を上げて、戦う意志がないことを示した。 「杖をおろしてください。自分は弟たちを向かえに来ただけですから」 弟という言葉に全員眉をひそめた。しかし少年は疑問に答えずに自分の言いたいことだけを述べる。 「それにもう水の精霊を襲うこともやめますから。それではさようなら」 少年がそういうとまたも強い風が吹き、土ぼこりが舞い上がった。 目を開けられるころになると元素の兄弟たちは居なくなっていた。 「あいつらどこに!?」 ギーシュはきょろきょろと周りを見回した。ギーシュだけでなくみんなが周りを見たが、影も形も見つからなかった。 モンモランシーはぽつりと言った。 「あいつらなんだったのかしら……」 キュルケは首を振った。 「わからないわ。でもとりあえず水の精霊のお願いはかなえたわ」 「あいつらの言葉を信じるのか?もう襲わないっていうのを」 ギーシュは異論ありげだったが、キュルケの回答は冷静なものだった。 「水の精霊の願いは襲撃者を撃退してってだけよ。今日たしかに撃退したわ。それにもう襲わないって言質ももらえたわ。 たとえそれが嘘だろうとわたしたちには関係のないことよ」 ギーシュとしては釈然としないものもあるが、確かにキュルケの言うとおりだろう。 「ま、終わりってーんならそれでいい……んだよ、クマ?」 「ちょ、カンジ。ちょっと思い出したっちゅーかー、思いついたことがあるクマよ」 ちょんちょんと完二をつついていたクマは言った。 「ルイズちゃんにアムリタ使ってみたらどうクマ?」 完二は固まった。 アムリタとはクマの使う回復魔法であり、どんな状態異常もたちどころに治す万能の回復魔法であった。確かにそれならばルイズも治せるかもしれない。 やっとそのことに気付いた完二の中で怒涛のように後悔が頭の中で渦巻いた。 それは一言で言い表すなら、どうして思いつかなかったんだ!である。 「どうして思いつかなかったんだよ、テメーはよ!」 完二は自分のうかつさを恨みながらクマを怒鳴りつけた。 アムリタはクマの使う魔法である。ならばクマが真っ先に思いつくべきことであろう。 「ちょ、ちょっと忘れていたクマよー」 完二はルイズが惚れ薬を飲んでから何回目になるかわからない溜め息をついた。今までの中でも一番大きい溜め息だった。 ペルソナ使いではないキュルケたちは「どうしたの?」と話についていけていないようだった。 「ルイズを治せんだよ……」 「えっ?」 キュルケ、ギーシュ、モンモランシーの声が重なる。当人であるルイズなど「治す?何を?」と言っている。 三人、ルイズを含めるなら4人は説明を求めるような顔をしているが、脱力しきった完二にその気力はなく、ただ力なくクマに言った。 「やってくれ……」 「はいよ、ペルクマー、来いやぁ!」 カムイが出現してアムリタを発動する。 アムリタをかけられたルイズの顔は変化していった。最初は恋する乙女の頬に朱のさした顔から、しらふの上等な陶磁器のような白い顔。 そして最後にルイズの顔は再び赤くなる。紅潮を通り越してまるでトマトのように赤である。 そして完二の顔を見るなり、ルイズは奇声をはり上げて湖面沿いに走り去っていった。 「な、なんだありゃ?治ったのか?」 走り去るルイズの後ろ姿を見ているモンモランシーは語り出した。 「何をしたか知らないけど、もし惚れ薬が解除されても薬が効いてた間のことはばっちり覚えてるわよ」 全員顔を見合わせ、それから再び走り去っていったルイズを見た。 「そりゃ…キツいな」 「ルイズはプライドが高いからね」 「しゅーちプレイクマ」 「でも、そうならあれは治ったっていう証拠じゃない?」 キュルケはケロっとして言った。それもそうだと全員は納得したが、モンモランシーが一つ疑問を投げかけた。 「でもあの子いつ戻ってくるかしら……」 それは誰にもわからないことだった。 こうして完二の深刻なほどバカバカしい恋愛ごっこは終わった。 元素の兄弟は森の中にいた。クマと完二にやられたジャックとドゥドゥーの治療をしていた。 「それにしてもヒドいやられ方ね。わたしでもすぐには治せないわよ」 「すまない、ジャネット……」 「ジャック兄さん、喋らないで」 妹にそう言われては、巨体をした恐ろしいメイジのジャックも口をつぐんでしまう。 すでにジャネットの治療を受けて動けるようになったドゥドゥーは長兄ダリアンに言った。 「すまない、兄さん。次は必ず……」 「この件から手を引くよ」 子供のような外見をした長兄から紡がれた言葉に全員が戸惑う。 「ちょ、どういうことだよ、兄さん!?」 「あんなやつらに言ったことを守るっていうの?」 ダリアンは首を振った。 「イザベラさまから他の騎士の代わりにと頼まれた仕事だったけど、はっきり言ってすごいやつらだよ。どうも」 「次は絶対負けねえって、なっ、ジャック兄さん」 「ああ、次は必ず」 ドゥドゥーとジャックは敗北しても決して弱気になっていなかった。 しかし、弟たちのやる気を見てもダリアンは意見を変えない。 「あいつらは本気を出していないから、たとえ4人でも勝てるという計算は立てられない。 勝ったところで誰かやられましたじゃ、いくら報酬が手に入っても損もいいとこだよ」 「でも兄さん、任務に失敗したってなったらもうガリア王家から仕事もらえないわよ?」 ジョネットの発言にそうだそうだとドゥドゥーとジャックは同調する。 「仕事なら王家以外にもある。まあ、こつこつとお金を貯めよう」 こうして水面下で仕事を果たして来た元素の兄弟は歴史の舞台へと身を踊ろかせかけて、再び闇の中へと消えていった。 その後の彼らを知る者はいない。 水の精霊を倒しラグドリアン湖の水面上昇を抑える任務は前任者から元素兄弟ではなく本来タバサに引き継がれるはずのものだった。 イザベラが元素兄弟にそれを任せたのは従妹に彼女の母親にゆっくりと会えるようにするための取り計らい。 また、王弟の子であるタバサに過酷な任務は減らそうとするイザベラの始まりの一手であった。 しかし、本来通りタバサに任務が引き継がれルイズたちと接触すれば、水の魔法の薬で心狂わされた母を治す術を持つクマとも会い、 タバサは数年ぶりに真の意味での母との再会を果たせおおせていたであろう。 イザベラの気遣いによってタバサの至高の幸福はさらなる未来へと先延ばしにされてしまうという皮肉な結果が生じてしまった。 そして生じた齟齬は致命的なほど未来に干渉することになる。 ルイズは日が昇ると完二たちのもとへと帰ってきた。走り去ったはいいが、馬もなければ帰れないと気付いたからだ。 帰ってきてもルイズは完二と言葉どころか目もあわせなかった。完二も積極的に関わろうとはしなかった。 ルイズほどでもないが、完二も十分すぎるほどに気まずかったからだ。 とにかくルイズも帰ってきたので、会話のない朝食が終えてから、学院に帰ろうとするのを止めたのはルイズだった。 「貴族として民が困っているのを見過ごせはしないわ」 ルイズは再び水の精霊に会うことを強く主張した。民とはラグドリアン湖周辺に住む農民たちのことである。 どうやらラグドリアン湖に来る前にあった農民の男の話を覚えていたらしい。 自分に話しかけてくるばかりでちゃんと話を聞いてたとは思わなかった。 と、完二は思ったが言っても怒られるし、自分にとっても面白い話題ではないので口には出さなかった。 そういうわけで一行は水の精霊の涙がもう用済みになったのに水の精霊と再び顔を合わせることとなった。 モンモランシーが使い魔のカエルを使い、水の精霊を呼んだ。 朝もやの中、水面が盛り上がり水の精霊が現れた。それは水を反射し、キラキラ光り輝いていた。 呼び出したモンモランシーに対応してその姿をモンモランシーの裸体に変えており、美しいと呼ばれる水の精霊だが、 完二は先日見たときと同様「雨の日の中のテレビにこんなヤツいたな」くらいにしか思わなかった。 「水の精霊よ。約束は果たしたわ。でもあなたの体の一部ではなく一つ他のお願いがしたいの」 「なんだ?単なる者よ」 ルイズが前に進み出て、モンモランシーに代わる。 「どうして水かさを増やすのか、教えて欲しいの。理由があるならわたしたちがそれを解決するわ」 水の精霊は、ゆっくりと大きくなった。そしてさまざまなポーズをとる。その仕草が、微妙に人間のそれとは異なっている。 「お前たちに、任せてもよいものか、我は悩む。しかし、お前達は我との約束を守った。ならば信用して話してもよいことと思う」 完二は回りくどい喋り方にイライラしたがキレておしまいにするわけにもいかないので、黙りこくっている。 「お前たちの同胞が、我が守りし秘宝を盗んだのだ。そして我は秘法を取り返したいのだ」 「それと水を増やすことにどういう関係が?」 「水が世界を覆うころには秘宝の在り処も知れよう」 その気の長さにその場にいた全員があきれ返る思いだった。さすが水の精霊というだけあって時間の概念が人間とは大きく違う。 「なら、わたしたちがその秘宝を奪い返してあげるわ。その秘宝の名前は?」 「お前たちはあれを『アンドバリの指輪』と呼ぶ」 「効いたことがあるわ。たしか水系統のマジックアイテムで偽りの命を与えるという……」 モンモランシーが呟いた。 「そのとおり。だが、あれがもたらすものは偽りの命。古き水の力に過ぎぬ。所詮益にはならぬ」 「偽りの命ってどういうことだ?」 今まで黙っていた完二が言った。 水の精霊は答える。 「指輪を使った者に従うようになる。個々に意思があるというのは不便なものだな」 「趣味の悪い指輪もあったものね」 キュルケが呟く。軽口を叩きながら彼女にはなにかひっかかるものがあった。しかしそのひっかかりがなんなのかが判然としなかった。 「わかったわ!アンドバリの指輪は取り戻してあげるから水かさを増やすのをやめてちょうだい!」 「わかった。お前たちを信用しよう」 こうしてルイズは人ならざるものと約束を交わした。 前ページ次ページゼロのペルソナ